ガソリン車の販売禁止
過去から現在に至るまで、世界の経済を牽引してきたのは間違いなく「自動車」である。自動車の存在無くして、経済の発展はあり得なかった。
自動車と言えば、ガソリンを利用したエンジンで動くのが当然となっているが、近年はエンジンを使わない自動車を多く見かけるようになった。
それが、電気を利用したモーターで動く「電気自動車(EVカー)」である。
近年、CO2(二酸化炭素)による地球温暖化問題をきっかけに、世界各国で自動車に対する排ガス規制が強化されている。
イギリスは2030年からガソリン車の販売が全面禁止され、またカナダのケベック州も2035年からガソリン車の販売が禁止される。
電気自動車
電気自動車とは、バッテリーに蓄えた電気でモーターを回転させて走る自動車のことである。ガソリンを燃焼させることがないため、排出されるガスの量は、ガソリン車のわずか3割でしかない。
また、燃料にかかるコストも大幅に削減でき、割安な夜間電気を利用して充電すれば、走行費用はガソリン車の約6分の1となる。
そして、電気自動車の最大のメリットと言えるのが、走行中の音が非常に小さいことである。
夜間に走っても、騒音で近隣に迷惑をかけることがない。
なお、電気自動車のネックと言われているのが走行距離であり、一度の充電で走れる距離が短か過ぎては実用できない。 それについても、リチウムイオン電池の性能の向上によって、一充電の走行距離が150~200kmに伸びてきている。
ハイブリッドカー
電気自動車の走行距離が伸びたことで、買い物やレジャーに対応できるようになった。ただ、ドライブや旅行などの遠出の時は途中で充電できないと、自動車が動かなくなる。
そのデメリットを補うため、非常に増えてきたのが「ハイブリッドカー」だ。
ハイブリッドという言葉は、複数のものを組み合わせるという意味を持っている。
そこから、エンジンとモーターを組合わせた自動車のことをハイブリッドカーと言う。
ハイブリッドシステムの主な方式としては、エンジンで駆動しつつモーターがその走行をアシストするパラレル式ハイブリッドと呼ばれるものがある。
エンジンとモーターをシームレスに切替えながら走行するようになっている。
ハイブリッド車はモーター駆動やエンジン始動に使われるメインバッテリーとハイブリッドシステムの起動に使われる補機用バッテリーで走行する。
プラグイン・ハイブリッドカー
さらに、最近は「プラグイン・ハイブリッドカー(PHV車・PHEV車)」と呼ばれる、電気自動車とハイブリッド車をかけ合わせた自動車が販売されている。電気自動車と同様に、家庭用電源(交流100V)でも充電することができる。
また、プラグイン・ハイブリッドカーは回生ブレーキと言って、アクセルを離すと自動的にバッテリーに充電される機能が付いている。
さらに、エンジンをチャージモードにした場合でも、駆動力を利用して充電できる機能が搭載されている。
エンジンとモーターで構成されることではハイブリッドーと変わらないが、ハイブリッドカーはあくまでもエンジンの補助としてモーターがある。
一方、プラグイン・ハイブリッドカーは充電容量を大きくして充電機能を備えたことで、電動走行の割合が高くなっている。
当然、モーターで走行できる距離も数倍に伸びている。