ゆい環境問題研究会

核や原発等の被曝国・日本で思うこと

福島第一原発事故

筆者は福島県の広野町というところの出身で、東北大震災のときは津波や原発事故の影響で一時的にせよ避難を強いられました。 
その東京電力・福島第一原発事故によって、周辺住民の健康への影響を考え福島県浪江町や飯舘村といった高濃度汚染地帯で被曝の恐れがあるとして避難が勧告され、今も続いている。


日本で始めて放射能というものを実体験したのは、ご存知、戦中の1945年の広島・長崎に原爆が投下されたことによるもので、長崎・広島の被害者数は広島で40万人、長崎で20万人といわれ、現在まで年々原爆被災で死んでいく原爆被災者をも含んでいる。
核兵器や原子力は人類に大きな影響を与えている現代で、核と人間が共存する方法を模索するべきではないだろうか?



被曝と被爆

日本国は世界でも余り例のない被爆国とされているのはご承知だ。
一般には核被曝や核実験、原子力発電事故で放射能・放射線に晒されることを「被曝」というそうです。 日本では原爆による放射能被害や単語が類似する点から混同されがちだが、意味が違うので注意したい。
「被曝」と「被爆」は、発音が同じで意味や漢字での表記も似ているが、実は「被曝」は「放射線などにさらされること」、「被爆」は「爆撃を受けること」、「核兵器による被害を受けること」であるとされます。 


「曝」という漢字が常用漢字に入っていないことから、「被曝」を「被ばく」と書くことも多いです。
つまり、広島、長崎の原爆による放射能は「被爆」であり、水爆実験やこの度の福島原発事故による放射能は「被曝」なのですね。




放射性物質

尚、人体の被曝は、放射線源が体外にあって外部から放射線を被曝する外部被曝と、飲み込んだり吸い込んだりして体内に取り込んだ放射性物質によって被曝する内部被曝とに大きく分類することができるとされます。
 つまり、体外被爆と体内被曝ということになるのです。


ところで、放射能とは放射性物質の原子核が崩壊して放射線を出す能力のことで、物質は原子でできており、原子は原子核と電子から構成されている。
原子核が状態変化を起こすことを放射性崩壊といい、それに伴って放射線が放出されるわけである。 
尚、全ての原子核が自発的に放射性崩壊を起こすわけではなく、一定の原子核だけが放射性崩壊を起こすが、この放射性崩壊を起こす能力を放射能というわけである。

» 原発事故の放射能汚染問題は今も継続中





人体に与える放射能の数値

放射能の危険性については、放射能を浴びても直ぐに影響が出ないが、多量の放射能を一気に浴びると体中の染色体が破壊され、細胞分裂ができなくなる。 
2週間くらいは全くの健常者に見えるが、だんだん体が溶けてゆき、今生きてる細胞の寿命が本人の寿命となるとされているのです。


因みに、放射能を浴びると50シーベルト以上では1日から2日後に死亡、500シーベルト以上で一瞬に死亡するとされています。 
脱毛現象は3ミリシーベルト以上、皮膚の障害変化は(5から10シーベルト以上の量で生じることが知られています。
即ち、全身に一度に4シーベルト以上被曝すると骨髄機能不全による死に至るとされ、 又、身体の血液の変化は、2シーベルト以上であらわれるとされております。
因みに、1シーベルトの千分の一が1ミリシーベルト、1ミリシーベルトの千分の一が1マイクロシーベルトになります。


人体に与える放射能について述べてきたが、尚、放射能を受けた物質(食料など)のもつ放射能単位を「ベクレル」といい、その物質から人体が放射能を受ける危険数値を「シーベルト」と呼んでいる。 
ベクレルとシーベルトは、放射性の種類によって実効線量係数を掛けて換算するようになります。