野菜はどこから来るんだろう?
高校生の時、トマトを食べながらふと思った。
「このトマトってどこから来るんだろう?」
トマトは畑でなる、それは分かっている。
でも、トマトが畑になっている姿を実際に見たことはない。
考えてみたら、今までなにげなく食べていたほうれん草もピーマンも、育っているところを見たことはない。
これは自分にとって結構衝撃的な発見だった。
毎日野菜を食べているのに、自分が知っている野菜の姿はスーパーの店頭に並んでいるものがほとんどで、畑で育つ姿はしらないのだ。
この事件がわざわざ家庭菜園を始めようと思った出来事である。
市民農園を借りてみたものの
毎日食べているものの育つ過程を知らないのはなんか変だと思って、その後農業体験に参加するようになった。
初心者がいきなり、家庭菜園を始めても失敗する可能性が高いからだ。
農業指導員の指導の下で、土づくりから始め、初心者でも飼育が簡単なトマトやピーマンの種をまいたり、枝から収穫する体験はとても新鮮だった。
社会人になり、家から少し離れた市民農園に区画を借りて野菜を育ててみることにした。
やるからには有機栽培でいきたい。
そう意気込んで始めたはいいが、畑には週末しか通えない。
除草剤やビニールマルチを使わない方法では、夏の草を抑えるのがとても大変だった。
野菜よりも草の方が勢いを増していく夏の畑で途方に暮れることもあった。
市民農園をやめて庭に畑をつくる
結局、その年の秋に市民農園は解約してしまった。
草ぼうぼうの畑では、自分はいいが周りの人の迷惑になるかもしれないと思ったからだ。
自分の周りの区画はぴしっと除草をしている畑がほとんどだった。
雑草がほとんど生えていない畑で大きく育つ野菜たち、それは立派だったが自分がやりたいこととはちょっと違う気もしていた。
その後転機になったのは庭付きの家に引っ越したことだ。
自分の自由にしていい庭を手に入れた私は、自分がやりたい家庭菜園をすることにした。
野菜も花も雑草もいろいろ生えている畑を作ろうと思った。
家庭菜園は楽しい
実際に自宅の庭で家庭菜園を始めると、結構大変だ。
野菜を育てるには、土を耕し石を取り除いて、石灰と堆肥を土に混ぜるところから始めなければいけない。
家庭菜園のために土建屋に重機で土を掘ってもらった。
草や花が野菜と一緒に育つ畑はポタジェとか草生栽培とか自然菜園と呼ばれる。
ネットや本で情報収集しながら、自分の庭で自分なりの家庭菜園を始めてみた。市民農園のころと違い、家の庭なので、毎日世話をすることができるし、雑草が生えていても人目が気にならない。
雑草の小さな花が揺れる横でトマトの成長を眺める瞬間は自分にとって至福の時間だ。
自宅に一度、畑を作ると、家庭菜園は遠くに行かなくてもできるし、お金もそんなにかからない。
毎日こまごまとやることはあるが、やる気が出ないときはさぼっても大丈夫。
新鮮な野菜を収穫して食べるという贅沢も味わえる。
家庭菜園を始めて毎日がちょっと楽しくなった。
日本全国の庭で、各家庭に畑があったらいいなぁと思う今日この頃だ。
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